Introduction
ローイング競技や錦海ボートコースについて紹介します。
ローイングについて
ボートの種類はいろいろあります。
ボートの断面が半円形の「シェル艇(不安定だけど早く進む)」と五角形の「ナックル艇(遅いけど安定性が良い)」、1人2本のオールで漕ぐ「スカル」と1人1本のオールで漕ぐ「スイープ」、1人で漕ぐ「シングル」、2人で漕ぐ「ダブル(ペア)」、4人で漕ぐ「クォドプル(フォア)」、8人で漕ぐ「エイト」など、大きく分けることができます。
ここでは練習艇として使用しております「ナックルフォア艇(又はオデッセイ)」について説明します。
写真の艇は「オデッセイ」と言います。1人2本のオールで漕ぐ「スカル」タイプとなってます。カヌーなどと異なり、このボートは漕ぎ手が進行方向に背を向けて座ります。コックスのみ進行方向を向いて座ります。船首側から、バウ(1番)、2番、3番、ストローク(整調4番)、コックス(舵取り)と呼び、1艇に5人乗ります。
次に、1人1本のオールで漕ぐ「スイープ」タイプのオデッセイ艇の写真を使って、艇の向きを変える時など、コックスが使う言葉を説明します。
ストローク(整調4番)側(右側)にオールを持っている2番と4番を「ストロークサイド」と言います。
バウ(1番)側(左側)にオールを持っている1番と3番を「バウサイド」と言います。
ストローク(整調4番)と3番を「ストロークペア」と言います。
バウ(1番)と2番を「バウペア」と言います。
オールは大きく分けて2種類あります。初心者の方は標準型であるマコンブレードのオールを使って練習してください。
その他、乗艇時に良く使われる言葉を説明します。
・キャッチ ( Catch )
最もフォワードが出たところ(足を曲げオールグリップを前へ押し出した状態)で、水面へブレードを垂直に入れることを言います。腕の力で水面に入れるのではなく、オールの自重で水面に入れます。
・ノーワーク ( No work )
基本的な漕ぎ方(正しい体の動きとオールの動きを心掛ける)で、全員で動きを合わせ、軽く50%くらいの力で漕ぎます。コックスの声掛けの例として「オールメン ノーワーク 用意 ロー」がありますが、この意味は「全員で 基本的な漕ぎを50%の力で 用意スタート」です。この時「ロー」の声掛けと共に足を曲げオールグリップ位置を大きく前へ出し、漕ぎ始めます。
・バックロー ( Back row )
桟橋から出る時など、艇をバックさせる場合があります。この時、漕ぎ切った態勢(腕は曲げ、足は伸ばす)から、オールを180度回転させて自分より前の水中にブレードを入れ、オールグリップを前へ押し出す様、通常漕ぐ方向とは反対に漕ぎます。ストロークサイドとバウサイドが別々の方向に交互に漕ぐと、艇はその場で回転することができます。
・ブレーキ ( Brake )
艇速を落としたり、停止したりする時に使います。全員がブレードを立てて水中に入れることで艇を止めることができます。
・ライトパドル ( Light paddle )
80%くらいの力で、主に足の力で漕ぎます。レース中に艇速を上げたりラストスパートの準備として入れることがあります。
・パドル ( Paddle )
全力(100%の力)で漕ぐ動作です。レースのラストスパートで使います。
・コンスタント ( constant )
艇速は保ったまま、ピッチ(1分間に漕ぐ回数)を落として漕ぐ動作です。レース中に最高速を保ち続け力を温存する時に使います。
・ありがとう ( Thank you! )
漕ぐことを止める時に使います。コックスが艇を回したりする時、漕いでくれた人へ「もう良いよ!」というお礼の意味で使ったりします。
ローイング練習の流れ
ミネベアミツミさんの練習風景を使って、ボート練習の流れを説明します。
駐車場側から見て一番左側(城山側)が米子市艇庫です。駐車場側の扉を開けて艇庫に入ります。
※このキーボックスの番号は会員の方々へお伝えしております。
艇庫の中から中海側のシャッター扉を開けます。シャッターの鍵の開け方は添付の写真と動画を見てください。
次に桟橋の手前にある陸閘を開けます。艇庫の中に陸閘を開けるハンドルがありますので、そのハンドルを使ってください。陸閘の開け方は添付の写真と動画を見てください。
開けた後は陸閘のハンドルは外して艇庫内の定位置へ置いてください。
艇とオールを出す前に下記内容を行います。
①艇置き台:練習後に艇を水洗いするので事前に準備しておきます。
②舵:艇の側面に青ラインのあるナックル艇(DELTA製)を使う時は青ラインの入った舵を、ラインの無いオデッセイ艇(桑野造船製)を使う時はラインの無い舵を使ってください。
オールは高価なパーツです。特にブレードが壊れ易いので運ぶ際はブレードを前にして持ってください。
艇は重いです。無理の無い様に5人以上で運んでください。桟橋まで運び、艇を180度回転させます。艇を水面に浮かせる方法は添付の動画を確認ください。
艇にコックスの足場用の板を置きます。
艇の船尾に舵を取り付けます。
艇の乗り方について説明します。
①スライドするシートを下げます。
②艇の縁を持ちながらレールとレールの間に足を乗せシートに座ります。この時、艇底の黄色の部分は薄く壊れ易いので踏まないでください。
③足の位置を調整しベルトで固定します。
④オールグリップは握り拳1個~2個くらい開けて持ちます。オールグリップの端側を持っている手は指1本分内側を持ってください。
次に艇の漕ぎ方について説明します。
①足と腕を真っ直ぐにした状態にします。
②足を曲げながらグリップの位置を前へ押し出します。この時、グリップの高さを水平に移動させます。
③グリップの位置を上げ、ブレードを水面に入れます。
④足を伸ばしながらグリップを引きます。
⑤足が伸び切った後、腕を曲げながらグリップを太もも方向へ下げ、ブレードを水面より出します。
⑥腕を真っ直ぐ伸ばします。
この①~⑥を繰り返し動作することで漕ぐことができます。添付の説明動画を見てください。
艇の乗り方スカル編を動画で説明します。
全員の準備が出来たら、桟橋から艇を離し、バックローで出て行きます。
錦海ボートコースの航行ルールに従って練習してください。
練習後は、艇出しの逆の方法で艇を上げ、艇置き台の上に置きます。艇を水洗いし、艇庫備え付けのタオルで拭き上げてください。
艇は艇庫内の出したところに戻します。海側のシャッターを閉めて鍵を掛けます。最後に駐車場側の扉を閉め、鍵を掛け、練習終了となります。
錦海ボートコース 航行ルール
【練習時の注意事項】
(1) | 日没後から日の出前の時間、白波(波頭が白くなっている状態)または風速6m以上の風の時は、出艇しない。常に波、風(特に春先などの突風)など天候に留意し、無理な出艇はしない。 |
---|---|
(2) | 乗艇時には、救命具を着用または艇内に装備し、落水等による事故を防止すること。 |
(3) | 練習水域は、護岸、コース付近とし、岸より200m以上離れない。(錦海ボートコース航行ルール図を参照) |
(4) | 乗艇中は、コックスだけでなくクルー全員が周囲の状況に注意を払うこと。(特に力漕する前) |
(5) | この水域では、漁船、遊覧船、ヨット等も航行することから、海上航行規則により右側航行を原則とし、すれ違う時は右側に避けること。 |
(6) | 後方から艇が接近してきた場合は、前を漕いでいる艇は速やかに右側に避け進路を譲ること。進路を譲ることができない場合は、接近してきた艇に対し前方に艇がいることを大声で知らせ衝突を防ぐこと。コースに進入または、コースから退去するため、コースを横断する場合は、コースを漕ぐ艇に注意し、速やかにコースを直角に横断すること。 |
(7) | 桟橋付近では、ノーワーク漕またはペア漕等の低速で漕ぐこと。 |
(8) | 万一ボートが浸水または転覆しても決してボートから離れず、救助を待つこと。 |
(9) | 事故を目撃した者は、直ぐに陸上又はモーターボート上の指導者に知らせること。 |
(10) | 指導者は、万一のトラブルなどに対処できるように陸上又は海上で監視し、拡声器又は放送設備を準備すること。 |
※航行ルールのダウンロードは、こちらのをご使用ください。